1.はじめに

カビーラを無効化する落とし子トークン、優秀な0/2の壁、燻しALL、二股の稲妻などROEでは、同盟者が1体も登場しないこととも相まって、スタンダードでの同盟者デッキの完全な終了フラグが立っています。とっても強い部族アーキテクトでしたが、ZEN+WWKの世界の中での一瞬の光芒と化するのかと無常感に襲われています。

いずれにせよ、ZENブロック落ちまで生きながらえるか否かは別として、新たなパーツもほとんどROEで得ることがないということで、同盟者デッキについては一区切りかなと思います。そこで、同盟者デッキ構築について、初心者のたわごとにはすぎませんが、気づいたこと考えたこと、そして何より同盟者デッキを構築し使用されている方々から見聞きしたことも含め、備忘録としてまとめておこうと思い立ちました。

長くなるかと思いますが、ご興味のある方はお付き合いください。

なお、ここで扱うのは、いわゆるビートダウン系の同盟者デッキで、特殊なタイプのもの(公式戦やフリープレーなどで確認できた範囲では、ハリマーの採掘者+ジュワーの多相の戦士+カニ+書庫の罠+旧ジェイスなどによるライブラリーアウトデッキやアガディームの墓所+複製の儀式+ハリマーの採掘者によるライブリーアウト又は蘇生によるエンドレスパンチの合体型デッキの2つがあります)は扱いません(経験がないため)。

気の利いたと思われる部分があれば、その大部分は同盟者デッキを用いている上級プレイヤー、ベテランの方々からいただいた知見によるものです。いちいち出典は示しませんが、この場を借りて御礼を申し上げておきます。

2.基本パーツ

同盟者デッキには、絶対に鉄板の基本パーツがあります。
《ハーダの自由刃》、《カサンドゥの刃の達人》、《カビーラの福音者》、《城壁の聖騎士》の4つで、これらの4挿しは確定です。他で代替できない強さを持ち、これら16枚を含まないビートダウン型同盟者デッキ(以下「同盟者デッキ」と表記)は皆無といえます。
この中でも《カビーラの福音者》、《城壁の聖騎士》の2つはとりわけ重要です。全軍にプロテクションをつけて殴るのでブロッカーの有無にかかわらず一気に大きなダメージが入り、ライフリンクでライフを大きくゲインできるのでフルパンの返しで殴られても持ちこたえられるのです。したがって、これらのおかげで除去はほとんど積まないか最低限で済ませ、その分同盟者の数を増やすことでデッキを強化できるというのが特徴です。

3.基本構成

(同盟者数)
同盟者デッキは、2T(運がよければ1Tから)から5Tまで各ターン最低1体の同盟者を場に出し続けることがそのプレイの基本です。となると、5Tまでに5枚の同盟者が手札に来るための数を求めると約28枚以上ということになります。この数字が同盟者数の目安となります。上の基本パーツを引くと、残り12枚程度をどう構成するかによって、同盟者デッキの個性、タイプが決まることとなります。

(疑似同盟者)
しかし、実際には、同盟者の種類は極めて限られており、中には強さに(特にそのマナコストの重さなどから)相当疑問を持たざるを得ないものもあることから、色の選択によっては、同盟者の数を構築上十分確保できないことが多々あります。そのために用いられるのが疑似同盟者です。
その代表的なものは、《コーの空漁師》、《送還》などのバウンス系と《暴力的な突発》、《血編み髪のエルフ》に代表される続唱持ちのカードです。バウンス系の場合には、非成長型の同盟者(一般には速攻持ちである《アクームの戦歌い》がベスト。それがかなわなければ《オンドゥの僧侶》など)を戻して同じターンに再び出すことを想定することから《コーの空漁師》の場合は4マナ同盟者、《送還》は3マナの同盟者としてカウントして構築します。無論《コーの空漁師》は同盟者の弱点である空からの攻撃に対するブロッカーにもなりますし、《送還》も攻撃時にブロッカーをどかせたり、チャンプブロックの同盟者を手札に戻したりと汎用性が高いところも魅力です。
続唱カードの場合には、必ず(できるだけ)同盟者がめくれるように構築することが必要となります。このあたりについてはタイプ別考察のところで触れたいと思います。
これらのカードは同盟者の数として構築上カウントしていくこととなります。

(タイプの大別)
その構成によりタイプが決まるとはいえ、結局のところ赤(アクームの戦歌い)を加えて速攻型を求めるか、赤を使わずに若干スピードの落ちる中速型とするかに大別されます。前者には、ナヤ同盟者、ボロス同盟者、トリコ同盟者、赤白黒同盟者があり、後者には白単同盟者、白緑同盟者、バント同盟者、ドランカラー同盟者があります。

(マナベース)
一般に用いられる同盟者は、ほぼ4マナまでなので、土地は最終的に4枚場に出れば同盟者デッキは動きます。しかしながら、2T(できたら1T)から連続して同盟者を供給しつづけること、そして、できるだけ早くキーカードであり絶対的強さを持つ《カビーラの福音者》や《城壁の聖騎士》を場に出したいことから、4T目までに4枚土地をそろえ、4マナを供給できるようにすることも求められます。したがって、4T目までに手札に土地がちょうど4枚来る確率が最大となる土地の枚数は24枚なので、これが、マナベースの目安となります。
また、各ターン、ターン数に応じたマナを出すことが肝要なので、タップインランドは基本的には積まないことが望ましいという点が構築を難しくしているといえます。特に速攻重視型では、タップインランドは構築上の矛盾となります。経験的に、同盟者デッキにおいては、タップインランドは2~3枚までと考えています。現在私の使っているドランカラー同盟者では、ミシュラ土地の《活発な野生林》を2枚だけ入れています(フィニッシャー強化兼対飛行生物ブロッカー兼デイジャ対策)。
このため、3色以上を使う同盟者デッキでは3色タップインランドの代わりに《古代の聖塔》を積むのが一般的になっています。しかし、この枚数の調整も難題です。これを増やすとクリーチャー以外の呪文に大きな影響が出るからです。経験的には、3マナ以上の非クリーチャー呪文を積む(忘却の輪や大渦の脈動など)場合には、2枚までと考えています。また、M10二色ランドも、フルに4挿しをするとタップインを余儀なくされるケースもあることから、微妙な調整が必要です。
3色デッキでも、友好3色(ナヤ、バント、エスパー)とそれ以外の3色(トリコ、ドランカラー、赤黒白)ではマナベースの事情が大きく異なります。友好3色では、フェッチが1種類しか使えないことから、特に3色タップインランドを使うべきでない同盟者デッキでは、その他の3色よりマナベースの構築が一段と難しくなります。トリコやドランカラーなどの利点はこの点にもあるといえます。
以上マナベースにかかる問題についてもタイプ別のところで必要に応じて触れることにします。

(基本的構造)
以上より、同盟者デッキは、おおむね以下の基本的構造をもつこととなります。

24  マナベース(土地)
16  基本同盟者
12  その他の同盟者又は疑似同盟者(色決定要素)
約4 除去
約4 フリースロット、別名個性枠

(以下次回)



コメント

kondohi
2010年4月14日14:26

エルドラージは、ライブラリアウト型の同盟者デッキにとっても天敵なんだよね。
もっともエルドラージがスタンのデッキに入るかどうかは未知数だが。

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