環境初期にはいつものごとくスタンダードのデッキが定まらず苦労します。

え?いつが環境初期だって?

いやいや、週に数時間程度しかMTGに割けない家族持ち社会人プレーヤーには、2ヶ月が経過してもまだ環境初期なのです。その間2週間の出張ブランクもありましたし・・・

正直なところ、年3,4回の追加エクスパンション発売のペースはいささか早すぎるというのが実感です。まだまだ、この環境でやり残したことがたくさんあるのに・・・といつも感じます。特に私のようなロ-グデッキスキーには。

やはり、デッキはオリジナルにこだわりたいもの。特に、前環境末期には、誰も使っていない赤緑続唱速攻デッキでそれなりに戦えたことから、今の環境でもオリジナルにこだわりたいというのは偽らざるところ。

とはいえ、公式戦で通用するオリジナルデッキなぞ、なかなか作れません。それでも、こだわり、失敗をかさねつつ、少し手応えのあるデッキに近づきました。それを、今日は、その組み立ての思考過程も踏まえ紹介したいと思います。近いコンセプトのデッキはごくたまに目にすることがありますが、ほぼこの形に近いというものは、みたことがないので、オリジナリティはそれなりにあるかなと思っています。少なくとも、構築過程で既存のデッキを一切参照していないという意味では、私の中では極めてオリジナリティの高いデッキと位置づけられています。

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最初の発想は、現環境ではPWが強いということ。最初はそれを活用する方向を考えましたが、現環境はスピードも速いのでなかなか難しい。では、PWをどうやったら壊せるかという逆の発想をしてみました。だいたいにおいて刻みジェイスにいつもひどい目に遭っているものですから。

そこで、《All is Dust》に目が向きました。SOMのスポイラーが出そろった頃、茶単デッキが主流になるかなと思いつつあわてて4枚揃えたのが奏功しました。

まず、デッキレシピを。

〈Yours are all dust, but not mine〉

【土地】26
4 新緑の地下墓地
4 湿地の干潟
1 剃刀境の茂み
3 活発な野生林
1 地盤の際
4 エルドラージの寺院
1 ボジューカの沼
2 沼
2 平地
3 森
1 ウギンの目

【生物】19
4 絡み線の壁
3 草茂る胸壁
4 パラジウムのマイア
4 ワームとぐろエンジン
2 墓所のタイタン
1 真実の解体者コジレック
1 無限に廻るもの、ウラモグ

【その他呪文】17
4 永遠溢れの杯
4 コジレックの審問
2 強迫
4 記憶殺し
4 すべては塵

【サイド】15
3 存在の破棄
3 漸増爆弾
3 神聖の力線
3 地盤の際
3 脆い彫像


デッキの基本的コンセプトは単純です。

4ターン目にワームとぐろエンジンを出して、5ターン目にAll is Dustを出せば強いんじゃね?
4ターン目にAll is Dustを出して5ターン目に何かタイタンでも出したら強いんじゃね?

というものです。茶単+1色のイメージでスタート。

となると序盤はマナ加速ですが、無色のマナ加速が基本となりますので、チャリスとマイヤあたりしか選択肢がありません。ダストで流れるマナクリは使えない。となると、1マナ圏はどうするか・・・。そこで、どのようなデッキにも丸いハンデスがよいのではないかという結論になり、黒茶という選択となりました。よって、自動的にタイタンは《墓所のタイタン》で行こうと。実際全部流した後のクロックという意味ではこれが一番強い。

このような形でデッキを組んでみても、All is Dustで流せるまでノーガードではまず保たない。したがって、青白コンよろしく壁を準備。無色の壁が好ましいので《絡み線の壁》。しかし、序盤を守るに飛行クリーチャーにはノーガード。ということで、《絡み線の壁》に到達を持たせるべく緑をタッチ。

マナベースには、やはり一刻も早くダストを打ちたいので《エルドラージの寺院》が入ります。実際に回してみると、パラジウムのマイア、チャリス、寺院でけっこうなマナが出ることがわかり、それではということで、ウギンの目、コジレック、ウラモグも1枚ずつ入れてしまいました。コジレックやウラモグが入ったことで、比較的よく目にする《精神と肉体の剣》によるライブラリーアウトに対しても耐性がつきました。実際、コジレックやウラモグがフィニッシャーになるケースは少なからずあります。

とはいえ、マナベースは、10マナに早く到達させるにはまだちょっと不安定。そこで、思い切って序盤の守りもかねて《草茂る胸壁》も投入。ダストで流されてしまうとはいえ、これにより飛躍的にマナ加速が安定しました。これを1枚タップするだけで2、3マナ出るというのは大きく(残りの壁は防御に回れますので)、これのタップだけですべての《絡み線の森》に到達がつけられるというのも素晴らしい。よって最初は2枚だったのを3枚まで増量。

最初は、デッキのキーカードとして《ミミックの大桶》が入っていました。ダストで流れた《墓所のタイタン》や主力の《ワームとぐろエンジン》を刻印できたらウハウハではないかと。しかし、実際に回してみるとほとんど活躍することもなく、常にサイドアウト候補だったので、サイドだった《記憶殺し》をメインから投入。これが、実に良い働きをしてくれることに気づきました。

このような経過でだいたい形になったのですが、いくつかある弱点の一つはアーティファクトに触れられないこと。《ワームとぐろエンジン》が跋扈している環境では、《存在の破棄》は必須。というわけでサイドのために白にもタッチ。奇しくも大好きなドランカラーとなりました。ヴァラクートには弱そうではあるのですが(まだ対戦はなし)、白をタッチしたこともありサイドに《神聖の力線》を加え、また、白マナ調達もかねて、まだ十分でない飛行対策にもなる《活発な野生林》を採用(実際にはこれを起動するためのマナについて色事故を起こすことが多いのでちょっと修正が必要かもしれません)。このタップインランドは、ちょっと数の足りない1マナ圏のカードという位置づけにもなっています。さらに、とても十分とはいえないヴァラクート対策として、サイドに《地盤の際》を入れました。

実は62枚デッキになっているのが、ちょっと格好の悪いところ。3枚と4枚での出現確率の差のほうが、62枚と2枚増えたことによって起こる出現確率の低下より大きいという理由で削りきれていないものです。土地1枚と呪文1枚を削れれば格好いいのですが・・・

しかし、仕上がってみると、結構なコントロール系のデッキになってしまいました。単純ビートダウンしか使えない下手くそな私にはかなり難しいデッキとなり、相変わらずプレイミスを連発していますが、結構楽しくプレイしています。

しかし、どうしても今ひとつ勝ちきれないのは事実。特に青いデッキには弱いですね。デカ物がどうしても打ち消されてしまうし、後半になればまずタップアウトしてくれませんので。

忌憚のないご意見を歓迎いたします。


コメント

てつろー
2010年12月3日16:08

デッキのコンセプトはすごいわかりやすく明確なので、あとは少しずつパーツの調整で良いと思います。
もう少し緑を強くして《酸のスライム/Acidic Slime(M11)》とかどうでしょう?
実際メインから使っていてかなり強かったです。
また、この手のデッキはハンドが消耗しやすいので《血の署名/Sign in Blood(M11)》、せっかく黒をつかっているので《破滅の刃/Doom Blade(M11)》なんてのも良いと思います。
また、フィニッシャーが多すぎると思うので、エルドラージ系は1枚刺しで良いと思います。

[Land](25)
[Creature](16)
4《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
3《パラジウムのマイア(SoM)》
3《酸のスライム/Acidic Slime(M10)》
3《ワームとぐろエンジン(SoM)》
2《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
1《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre(ROE)》

[Spell](20)
4《強迫/Duress(M11)》
3《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
4《血の署名/Sign in Blood(M11)》
4《耕作/Cultivate(M11)》
2《記憶殺し/Memory Slide(SoM)》
3《全ては塵/All Is Dust(ROE)》

こんな感じでどうでしょうか?
《血の署名/Sign in Blood(M11)》でがっつり引きに行けば、それだけフィニッシャーも引きやすくなるのでマリガン牌になりやすい重量生物を少し数減らせるかなーと思いました。
また、土地が1枚刺しでばらけさせるのなら《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を1枚刺してもいいかもしれません。

ただ、黒い要素が強すぎる為、《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》がちょっとあやしいかもしれません。終盤引いても強い《探検/Explore(WWK)》のが強いかもしれないです。

REQUIEM
2010年12月3日21:45

>てつろーさま
丁寧なアドバイスありがとうございます。
コントロール色が強いのにドロー手段がないのでは、そりゃ弱いですよね。血の署名は必須だと思います。
いただいたレシピは、多少根本の考え方を変えており、ダストに頼り切るのではなく、ダストを最後の手段として、その前に酸スラや刃でさばくというものですね。この方が、確かに遙かに丸くてよいかなと思います。
緑壁は、マナ加速には本当によいのですが、飛行が止まらない(最近は飛行中心の白単も多く)のが気になります。確実に2ターン目に出せる絡み線の壁は、捨てがたい気がして悩ましいです。
アドバイスを元に試行錯誤してみます。マナ基盤を抜本的に作り直さねばなりませんし。1t黒、2t緑、3t黒を実現するベースが必要となりますね。これで、またしばらく楽しめます。
ありがとうございました。

てつろー
2010年12月4日7:50

現環境の強い飛行は

《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M11)》
《カルガの竜王/Kargan Dragonlord(ROE)》

位だと思うので、《破滅の刃/Doom Blade(M11)》があれば汎用性も高いのでかなり使い勝手はいいと思います。

REQUIEM
2010年12月4日17:30

というか、装備品をつけた鷹の大群にやられるのが怖い・・・数も多いし

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